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【INTERVIEW】さらなる確信を手に穏やかな地平に降り立った魂の記録 ―コロナ過でリリースされた2ndアルバムでシーンに大きな波紋を投げかけたChoir BoyからAdam Kloppのインタヴュー

INTERVIEW

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の真っ只中にリリースされたにも関わらず、シーンに大きな反響を呼んだ2ndアルバム『Gathering Swans』は間違いなく後世に残る名作である。楽曲は前作『Passive With Desire』よりドリーム・ポップ色が増しはしたが、これは方向転換などではなく個性をより明確に表現可能になったバンドの進化だ。まさにノーガードで打ち合うかの如くグイグイ攻めてくる個性の塊。謎に包まれたChoir Boyの素顔をフロントマン、Adam Klopp(アダム・クロップ)が話してくれた。

– まずは基本的な質問です。バンドはどのようにスタートしましたか?現在の形態に至るまでの簡単なストーリーを教えてください。

Adam:Choir Boyは2015年後半から2016年の初めにスタートした。多くのバンドがそうだと思うけど、いくつかの消滅した音楽プロジェクトの灰から芽生えていったんだ。 僕には何年も一緒にバンドをやってる理解のある友達やハウスメイトが何人かいたから、すぐにメンバーを集めることが出来たんだ。 バンドのラインナップは2018年の全米ツアーをやるまでメンバーはローテーションしていた。 それ以降は、僕、Chaz、Jeff、Michaelの4人で固定してる。

– どんな音楽に影響を受けて音楽を始めたの?あなたの音楽のルーツは?

Adam:小さい頃からずっと音楽に興味があって、けっこう早い段階で60年代のPop Rock(The Beatles, The Who, Beach Boysなど)をたくさん聴いていたんだ。年をとるにつれてパンクに傾倒していった。学校の友達グループにパンクに詳しいやつがいて、沢山のクラシック(The Ramones, The Clash, Cock Sparrer, Stiff Little Fingersなど)を紹介してもらったんだ。改めて振り返ってみると、僕は数週間ごとに何か新しいことに夢中になっていたように思う。 例えばHellcat Records、Ska、oi、Hardcore、Folk、Power-pop、「indie」、Alternative、Rockabilly等…。あの当時はインターネットを使って多くの事にアクセスする事をまだ覚えていなかったから、公共図書館からCDを借りたりしていた。 8年生のときに最初のバンド、Riot Boysを始めたんだ。あれはアイコニックなミドルスクールoiだったな!そして僕たちは徐々にローカルパンク/ DIYシーンへと進んでいった。 Berea Festという地元のパンクフェスに行った後、モニュメント的なシフトが起こったんだ。芸術の美的感覚の楽しさを介して、地域社会で起こっている精神と社会的/政治的行動主義を理解したのはそのときだと思う。全国から集まったミュージシャンの非資本主義的ネットワークが集結して、その演奏を見るのはユートピアのようだった。
このごろはとてもうんざりしているところがあるけれど、過去15年間の音楽経験はその1つのショーに最終的に落ち着くだろうね。

– 「Choir Boy」というバンド名はどんなふうに名付けたの?

Yes! 地元の音楽シーンの仲間から僕は軽蔑的な意味で当時「Choir Boy」と呼ばれていてね。 敬虔な宗教の家庭で育って合唱団で歌っていたから、いつもそれが面白いと思っていて、それが丁度いいバンド名だと思ったんだ。

– Choir Boyはどんな音楽からインスピレーションを受けてる?

音響的には、New waveやDream-pop/ Sophisti-popなどからインスパイアされてるかな。 例を挙げると、Kate Bush、Cocteau Twins、China Crisis、The Lotus Eaters、Cleaners from Venus、そしてYMO。 作曲についてはもう少し幅広く、ポップカントリーやR&Bを含むすべての領域に踏み込んでる。

– 前作『Passive With Desire 』をDais Recordsからリリースするに至った経緯を教えて下さい。

そのレコードのファーストプレスとレコーディング費用は自分たちで出していて、Dais Recordsから再プレスする前にTeam Loveというレーベルで数回プレスをしてる。 僕らはCashという名前の共通の友人がいて、Them Are Us Tooというバンドで演奏してる人。最初にレコードをシェアした人なんだけど、その後、Gibbyから僕たちのものをリリースする連絡があって、あとはご存知の通り。

– 4年ぶりのニューアルバム『Gathering Swans』のアルバムのコンセプトを私たちが理解する為のキーワードを教えてください。

僕は頻繁にレコードは半分ロマンチックな物語であり、半分皮肉な自分自身のヘルプマニュアルだと言っているんだ。 それは人生における多くの闘争に相当するものだと思う。愛を授受するため、僕の虚無主義の傾向を押しのけ、より生産的で充実した生活を送るため。
もし世界が僕らの目の前で燃えているように見えるとき、それは困難なことだろう。『Gathering Swans』というフレーズは、天使が死んだ惑星に送られ、新しい世界のために白鳥を収集する、ディストピアのノアの箱船のストーリーを参考にしているんだ。 終末論的な崩壊の中で何か新しくて美しいものを作るというアイデアは、収録した曲すべてがそのテーマで結ばれているように見えた。

– Choir Boyはビジュアル面のコンセプトにも非常にこだわっているように思います。今回のメイクアップのイメージはどこから来たの?リードトラックの「Toxic Eye」とリンクしてるの?

『On Passive With Desire』では子供の頃のハロウィーンの衣装を再現しようとしたんだ。 このレコードはヴァンパイアのメタファーやイメージを活かして、ノスタルジーや喪失感も表現している。 だから、このコンセプトはとても理にかなっていると思う。また、Roxy Musicのアルバムカバー、Pee-wee Herman、Klaus Nomiのような別世界のニューウェーブ的存在から、グラムとキャンプの美意識からヒントを得ているんだ。 ミュージックビデオやアルバムアートは、視覚的なペルソナに鮮やかな生命を吹き込む事が出来るので、そうやって遊ぶのが楽しい。 誰かがChoir Boyの歌を聴くたびに、いたずらな漫画のキャラクターが頭に飛び出し、マンホールから下水道に通じているイメージなんだ。 そこにバンドがいて、みんなが踊ってる!『Gathering Swans(白鳥の採集)』のカバーのキャラクターは、ある種の賞金稼ぎ/大天使(白鳥の採集の任務)をイメージしているんだ。 そしてもちろん、彼は近代的な病に苦しんでいる…「Toxic Eye(有毒な目)」。 ;)

Choir Boy- Toxic Eye (Official Video)

 

– 最新のミュージックビデオは一貫してレトロなビデオテープな質感で作られていて、私はそれがとても好きです。これらのビデオにあなたのアイデアは反映されてるの?制作時のエピソードがあったら教えてください。

ニューアルバムからの2つのミュージックビデオは、古いPanasonicのVHSカメラで僕らが制作しているんだ。そのビデオはビューファインダーが壊れていて、しばしばコミカルなプロセスになることがある。 自分でビデオを作るのを楽しんでいるんだよ。ツアーやさまざまな冒険の映像を録りためたものの瞬間を切り取って、大きな暗示的な物語に織り込むことが出来る。「Complainer」と「Toxic Eye」のビデオはどちらも、前に述べたマインドの中にある下水道から、様々な強引なヴィジュアル・メタファーとミュータントのようなペルソナを持っている。 これらのビデオの面白い点の1つは、1か月ほどかけて撮影したことで、髪の毛がとても速く伸びるような感じになってる。よく見ると、各ビデオに2~3種類の髪の長さがあるんだ。

– Choir Boyのサウンドを作る為に重要な楽器やペダルは何ですか?また、それのどんな部分が気に入っていますか?

Casio CZ5000は僕らのサウンドにかなり重要な機材となったと思う。それが僕にとっての最初のシンセサイザーで、今でもお気に入りなんだ。ペダルとエフェクトの面では、Michaelが気まぐれだから。 彼はたくさんのガジェットを持っていて、それらを僕は理解したふりはするつもりないよ。それと彼は、コーラスを内蔵したクラシックなRoland JC120も持っていて、僕はその音が大好きなんだ!

Choir Boy- Complainer (Official Video)

 

– 音楽以外ではいま何に興味がある?

最近僕は、鏡と家具を作る友達のために働き始めたんだ。彼から溶接の仕方を教えてもらったんだけど、これが結構やりがいがあるんだ。 今、世界はパラノイアに満ちていてるので、何か新しいことに集中して、肉体労働でくたびれる事は幸運だと感じている。

– Choir Boyの今後の展望があったら教えてください。

COVID-19が原因でバンドの活動はここ数ヶ月は沈静化してる。ツアーはすべてキャンセル、MichaeとJeffが一緒に住んでいることを除いて、僕らは別々の生活をしているからね。でも最近、ミーティングを再開して、バンドが曲作りのスイングに戻ってきているのを感じてる。僕個人的には、アルバムのミュージックビデオをさらに2本仕上げる計画していて、あとは来年の初めくらいにまたツアーに出られるようになるといいなと思ってる。

text by PØRTAL EDITORIAL TEAM

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