Julie『my anti-aircraft friend』。シューゲイザー、オルタナティブロック、ノイズロックを横断。新世代ギターバンドの感覚を提示したデビューアルバム。
Julieによる『my anti-aircraft friend』は2024年にリリースされたデビューアルバムであり、シューゲイザー、ノイズロック、オルタナティブロックの要素を取り込みながら、現代的なギターミュージックの新たな方向性を提示した作品である。
本作のサウンドは、厚く歪んだギターとドライなリズムセクションを中心に構築されている。シューゲイザー由来の浮遊感を持ちながらも、従来のドリーミーな質感に依存することなく、ノイズロック的な粗さや緊張感を前面に押し出している点が特徴である。ギターのフィードバックやノイズは装飾としてではなく楽曲の骨格として機能しており、全体に独特の重量感を与えている。
楽曲構造は比較的コンパクトでありながら、反復と音圧の変化によって強い推進力を生み出している。派手な展開に頼ることなく、ギターの質感やボーカルの距離感を変化させることで楽曲ごとの表情を作り出しており、アルバム全体として統一感のある流れを形成している。
文脈的には、Julieは2020年代以降のシューゲイザー・リバイバルを代表する新世代バンドの一つとして語られることが多い。しかし本作は単なる90年代サウンドの再現ではなく、ノイズロックやポストハードコアの感覚を取り込みながら、現代のリスナーに向けて再構築された作品として位置づけられる。SNS時代を経て広がった新たなギターミュージックの潮流を象徴する存在ともいえる。
特に「flutter」や「clairbourne practice」といった楽曲では、Julieの持つノイズとメロディのバランス感覚が明確に表れており、本作の方向性を理解する入口として機能している。
その結果として『my anti-aircraft friend』は、シューゲイザーというジャンルの枠を超えながら、2020年代のオルタナティブロックが向かう新しい地点を提示したデビューアルバムとして成立している。









